内覧会に建築士は必要か

内覧会チェックの様子 ←内覧会でのチェックの様子

 本年度のマンション内覧会のシーズンも終わりました。今年も多くのマンションに行きましたが、ここで、内覧会について、振り返ってみます。今回、考える事は、本当にマンションの内覧会に建築士が同行する必要性があるのかということです。
 
 ほんの一部のマンションを除いて、非常に良くできていましたが、そのほんの一部のマンションというのが問題でした。購入されたお客様には申し訳ない言い方ですが、正直、ひどかった。まずは、内覧会に行ったときに完全に工事が終わっていなかったということです。これが、まずは、大きな問題です。何とか引渡しに間に合わそうとお客様をその部屋を見てもらえるような状態になっているものの、ぱっと見はできているように見えのですが、じっくりと見ると、あれではいけません。

 天井、壁のクロスは、汚れ、キズ、隙間だらけ、シワもある。窓廻りのコーキングも打設できていない、ガラスも埃だらけ、違う色の洗面台が付いている。わずか、60㎡ほどの部屋にもかかわらず、ざっと見ただけで200箇所以上もの指摘があります。私がチェックするだけで一日で終わらず、二日に渡りました。指摘したところを再度、チェックするとさらに50箇所以上もの指摘が出る。実に2日間で250箇所以上。

 これを素人だけで指摘して下さい、それも1時間程度でと言われても、これは不可能です。これは、まだ完全にできていませんが、買って下さいという話です。幸い、構造とか、設備とか契約、生活に支障のあるものは無く、何とか、補修だけで引渡しまでできたようですが、これでは、購入する側にしてみれば、不安になりますよね。何も解からない素人でしたら、解約しますと言ってもおかしくない話です。また、気になる事は、今回はたまたま私がチェックしたから、何とか納まったのですが、もし、素人でそれもすることなく、そのまま入居して、全く気づかないまま、生活されたらそれでいいのですが、入居してから気が付いて、クレームとなり、トラブルとなると非常にややこしくなり、安心で快適な住まいどころでなくなるのです。

 こうなった原因はいろいろあるのですが、こうなると、この一部となるマンションに当たってしまった時、本当に購入しても大丈夫か、不安を払拭するため、クレームを回避するには、やはり、第三者のチェックが必要であるということです。

 でも、最近の建物は、ほとんどが本当に美しく、しっかりとできていると思います。ある意味、我々のような第三者が入るということが常識のようになっているから、受け入れ側もしっかりとチェック体制ができているようです。本来なら、第三者のチェックなど必要無いというのが一番いいのでしょうが、いなければ、やっぱり、人間ってすぐに気が緩んできて、どんどん粗悪になっていきます。本来、綺麗に美しくできあがっているのが、当たり前です。しかしながら、どの時代にも警察や裁判官が必要なように、住宅購入の際にも、やはり、警察(第三者である建築士・検査者)は必要なようです。

 by Tadashi Yasumizu 2015.03.31

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