傾いた外壁。これは、大丈夫か。
← 外壁が倒れている
3年前に切り離した(解体した)長屋で、切り離した外壁が傾いているから調査して欲しいという依頼で大阪まで行ってきました。見ると、切り離した外壁は、トタンが貼ってあるのですが、確かにその頂部は、3cmほど倒れています。外から見ると、原因が解らないので、内に入らしてもらいました。
浴室に点検口があるので、その部分から天井裏を覗いてみました。すると、屋根を支えている母屋という部材の継ぎ目が外壁に近いところにあり、それが、ぽっかりと口が開いて垂れ下がっています。その母屋を支えている部材を束というものですが、その束に外壁のトタン貼の下地が打たれています。その束が倒れているのです。
←母屋の継目が垂れ下がっている
本来、切り離した時にその継ぎ目部分をしっかりと補強しなければならないのですが、それが、何もされておらず、放置されていたというのが原因です。もし、大きな地震がくると、これは、間違いなく屋根が壊れますので、早急な補強が必要です。
補強方法としては、まず、口が開いている部分をひっつけて、開かないように継ぎ目部分を金物等で補強します。現況は、継ぎ目部分が垂れ下がっているので、垂れ下がらないように継ぎ目部分の下に束を立てます。しかしながら、現況は、昔の建物であるためにその束を載せるための梁が無い。すると、梁の設置も必要になってきます。
梁を設置しようとするならば、天井をめくらなければならないので、かなりの大掛かりな工事となります。住んでいる人にとっては、生活にも影響されるので、大変、迷惑な話しです。そして、その補強するための費用は誰が出すのかということで、トラブルになってしまいます。
このようなことを防ぐにはどうしたらいいのでしょうか。本来ならば、長屋を切り離した時に残された部分に問題はないかどうかの確認が必要ですね。それをすることなく、その業者は去っていったのです。実に不誠実な話しです。もし、その業者が何もしない場合には、第三者のチェックが必要です。そして、このように問題がある場合には、すぐに切り離した業者に保障を求めなければなりません。
by Tadashi Yasumizu 2015.09.11