夢と現実
⇐ 建方
家づりでは、実際の予算は、これだけしかなくて、設計士、工務店にこの予算で家を建てて欲しいと依頼して、計画を進めていきます。計画段階では、新しい家ができたら、こんな事したい、あんな事をしたいと思って、どんどんと夢が膨らんでいき、いろいろな要望が出てきます。ところが、話しが進んで、ある段階に来た時に、設計士は、法律のチェック、構造のチェックをしますと言い出します。工務店は、建築費用のチェックをしますと言い出します。そして、しばらく時間を下さいと言います。そして、2~3週間たつとそのチェックした結果を持ってきます。
するとどうでしょうか。これまで、描いていた夢が一気に崩れ去るということが、しばしば、起こります。リビングに大きな吹抜をつくって、開放感を味わいたい、そして、2階で子供達が遊んでいる気配を常に感じていたい、という要望を設計士に伝えていたのに、実際に持ってきた図面を見ると、わずか4帖くらいの小さな吹抜でしかなかった。どうしてかと聞くと、細長い形状で壁の面積が大きすぎて、台風時に大きな風圧がかかり、大きな吹抜をつくると建物が歪むからどうしても、これくらの大きさになってしまう、とういう事です。
また、工務店は、2000万円の予算であったのに、実際にもってきた予算は、2500万円。最初に2000万円って伝えていたのに、どうして、こんなに予算オーバーになったのか聞くと、最初は、100㎡くらいの予定であったのに、要望を聞いていくうちに、どんどんと大きくなり、130㎡になったからだ、という事です。
⇐ 吹抜がある家
このように、夢と実際とがくい違って、設計士と工務店とトラブルになるケースがしばしば、見られます。これが、最初のうちであれば、大きな問題にはならないのですが、これが、どんどんと計画が進んで、設計料も支払い、いざ着工というときにこのようなことが起きると、設計を根本的にやり直さなくてはいけない、工期が大幅に延びたなどで、裁判沙汰になることもあります。
これを防止するには、まず、自身の要望、予算でどのような家が建つのかということを事前にしっかりと把握する必要があります。方法としては、インターネットや本で調べたり、住宅展示場に足を運び、話しを聞いてみる。雑誌や広告などで見た設計事務所、工務店に行って、話しを聞いてみるなどです。これを数回、繰り返しているうちに必ず、相応の業者なり設計事務所が、必ず見つかります。また、人を見る目も養われます。現実が見えてきます。最初に時間と労力を掛けることが、実は、最も近道で堅実であるということです。そして、人任せにするのではなく、自分で労力、時間を惜しまず、努力、勉強することが大切かと思います。
by Tadashi Yasumizu 2017.11.01