耐震診断の方法:一般診断(その2)・・・「耐力壁」
← 筋かいが入っている。
前回は、一般診断において、建物の重量と地盤、建物の形が耐震性において、どのように影響するものかをお話ししました。今回は、耐力壁ついてお話しします。
まずは、耐力壁とは何かと言いますと、地震が来た時に地震力に対抗できる強い壁のことです。これは、どのような壁を言うのかと言いますと、筋かいが入っている壁、構造用の合板で固められた壁などを言います。阪神・淡路大震災で倒壊した原因として、よく筋かいが少なかったからと言われます。この筋かいがどのように入っているのかが、倒壊するのかしないのかの分れ道となります。
その筋かいについても、いろいろな筋かいがあります。今では、幅が90mm厚みが45mmが主流となっていますが、昔は、幅は90mmでも厚みは、30mmのものが多かったです。その筋かいをダブルで入れる場合、シングルで入れる場合、二通りの入れ方があります。筋かいの種類、入れ方により、それぞれ、強度は違ってきます。当然、薄い30mmのものよりも、厚い45mmの方が強く、シングルで入れるよりもダブルで入れる方が強いのです。
次に構造用の合板ですが、この構造用の合板にもいろいろあります。耐力壁として使う構造用の合板は、通常のベニヤ板と違って、使用材や接着剤の違い、製造方法の違いにより強度が高くなっています。また、セメント系のものや、木材を粉砕加工して固めたものなど、建材メーカーがいろいろなものを出しています。これらのものは、水に強いもの、火に強いもの、長持ちするもの、それぞれ、特徴があり、強度も違いますので、用途により使い分けします。
次回は、これらの耐力壁の使い分けについて、お話しをします。
by Tadashi Yasumizu 2016.03.06