特殊建築物定期調査(その2)
今日でやっと某大規模病院の特殊建築物定期調査が終了しました。
延べ床面積が全部で33,000㎡ですから、びっくりするような規模です。これを2ヶ月近くもかかって何とか、今日、神戸市役所に報告書を提出しました。この病院は、古くは昭和7年から現在にいたるまでたくさんの建物が混在しています。今それを隅から隅まで調査するとうのは、とても貴重な体験となりました。
正直言って、建物も人間と同じで手入れをしなかったら、いたるところに悪いところがでてきています。当たり前ですけど・・
コンクリートが割れて剥落しているところ、タイルが浮きまくり、剥落しているところ、サッシュが腐食して部屋にまで漏水しているところ、塗装がはげて、鉄板が錆びて落ちかけている階段、さまざまな症状を見ました。悪いところがあれば、すぐに直せば、もっともっと建物の寿命は延びるのにと思います。それに一番、危ないと思うのは、何かの拍子にコンクリートやタイルが落下して事故にでもならないかということです。
でも、建物の劣化が早いというのは、必ずしも手入れが悪いということだけではないのです。コンクリートやタイルの剥落というのは、ほとんどが施工不良なのです。コンクリートが落ちるのは、鉄筋のかぶり厚さが確保できておらず、鉄筋が錆びてコンクリートを割ってしまうというのが主な原因です。タイルが落ちるのは、工事中の接着不良により、タイルの裏に水がまわり落ちる場合が多いのです。
安全で長持ちする建物をつくるためには、まず、現場の監督さん、職人さん、くれぐれもきちんとした施工をしましょう!工事監理をする人、施工不良にならないようにしっかりとチェックしましょう!そして、建物の持ち主となる人は、定期的な手入れをきちんとしましょう!ということを強く訴えたいです。
by Tadashi Yasumizu 2008.11.27