タイルの浮き検査について
マンション、一戸建て住宅の検査で必ず行う検査のひとつとして、タイルの打診検査があります。これは、どういうものかといいますと、打診棒というもので、タイルを叩いたり、さすったりするものです。
タイルの貼る工法として、いろいろな工法があるのですが、最近は、圧着貼という工法がよくとられます。この工法は、あらかじめタイルを貼れるようにコンクリート面を左官で綺麗に平らにして、それに接着剤やセメントをムラなく塗りつけて、タイルをコンクリートに直に貼る工法です。
この工法で接着剤が、何らかの原因で十分にタイルに裏に廻りきっていない場合があります。その場合だと、タイルとコンクリートとの間に空洞ができてしまい、その部分に打診用の棒が触れると空洞音がするのです。その空洞音がするとタイルが浮いているということで、その部分は、健全に貼られるいる部分と比較すると、割れやすかったり、めくれやすかったりするわけです。
ほとんどが正常に貼られているのですが、中には、空洞音が多く見られる場合があります。見た目には、正常に貼られている場合と全く同じで、見極めが付かないのですが、打診棒でさすったり、叩いたりすると空洞音がして、すぐに浮いていることがわかります。それを放置していると、数年経つと、本当にめくれたり、割れたりするのです。土間でしたら、まだ、危険性は少ないのですが、それが、人通りが多い壁とか梁の部分でしたら、万が一、地震がきて、タイルが落ちたら、大きな事故につながる可能性もありますので、しっかりと検査する必要があります。
ですので、引渡し前の検査で空洞音がする場合、壁とか梁の場合は、貼り替えていただくようにしています。土間の場合は、入居して、万が一、浮きによることが原因で割れたり、めくれたりした場合は、無償で貼りかえてもらえるようにするための証拠を残しておきます。浮きが原因で割れたかどうかは、事前にチェックしておかないと責任の所存がはっきりしないので、事前の打診検査が必要です。打診検査は、工務店や職人さんの前でいやがられる場合もあるのですが、これは大切なことです。
by Tadashi Yasumizu 2014.04.22