フローリングのフワフワ感は、欠陥なのか
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床のチェックをしている時によく聞かれることが、床のフローリングがフワフワするけど、これは問題ないのですか?ということです。
答えを先に言うと、このフワフワ感がなかったら問題なのです、と答えます。マンションは、鉄筋コンクリート造の共同住宅です。限られた敷地に法律で定まられた規則の中で多くの部屋を造りたいと考えます。そして、できる限り、コストを抑えたいと考えます。その中で他人に迷惑をかけることなく、どのようにしたら、理想の家をつくることができるのかという答えの一つが、フワフワ感のあるフローリングなのです。
このフワフワ感は、どういう構造になっているかと言えば、通常、フローリングは、厚みが4~6mm程度の合板(ベニヤ板)の上に単板といって、木目調の薄い木皮が貼られています。そして、合板の裏には、5mm程度のクッション材が貼ってあるのです。フワフワするのは、これが原因なのです。
それでは、何のためにこのクッション材が貼ってあるのかといえば、マンションでは、子供が飛び跳ねたり、走り回ったりします。そして、家具を引きずったり、物を落としたり、様々な生活音、振動があるのですが、このクッション材がこの生活音や振動を吸収する役目をもっています。
もし、このクッション材がなかったら、どうなるのでしょうか。子供がドンドンと飛び跳ねたとします。そして、着地したときの衝撃音は、硬いコンクリートを伝って、階下もしくは、隣のお宅に響くのです。そうなると、隣近所のトラブルの原因となります。
それでは、一戸建ての住宅のようにフローリングの下に衝撃音を防止するための空間をつくったらという事になりますが、そうしたら、コンクリートの床とフローリングの間に5cmとか10cmとか隙間が必要となります。すると、その階の高さが高くなってしまい、定められた高さに多くの住戸が納まらなくなってしまいます。そこで、考えられたのが、クッション材がついて、少しでも、衝撃音、振動を食い止めることができるフローリングです。
こういう理由で人口が過密化した最近のマンションでは、このクッション付きのフローリングがほとんど採用されています。逆にこのフワフワ感が無かったら、だめなのです。内覧会の時には、このフワフワ感ががちゃんとあるのかというところもチェックします。
by Tadashi Yasumizu 2016.03.06