内覧会で見つける汚れ、キズについて
← 扉についた、誤ったビスの跡
内覧会に行って、じっくりと見ていくと、必ず、クロスやフローリングに汚れ、キズ、隙間、不陸など生活するのに支障はないけれども、美観上に問題があるというものがあります。このようなものは、どう判断して、どう指摘するのかというのに迷うことがあります。
迷うことなく、指摘する汚れ、キズというものは、ぱっと見ただけで、これは見苦しい、ほっておけない、新築なのにこんなことあり得ないと直感的に解るものです。その程度は、大きなもので、不快感を与えるものや、どこにでもある、大したことないものなど、いろいろなものがあります。
大したことないものでも、簡単に補修できるものは、時間の許す限り、指摘するようにしています。簡単に補修できるものとは、洗剤で拭くだけで、簡単に汚れが落ちるもの、補修剤でさわるだけで、簡単に直せるものです。でも、これには、時間と体力に限界があるのです。中には、ご夫婦で虫メガネで見ないと解らないような汚れやキズまでを次々と指摘する方がおられます。終われば、指摘した個数が100とか150ヶ所みたいな。しかし、これをやってしまうと、本当に見ないといけない部分が見れなくなってしまいます。
← クロスについた目立つキズ
本当に見なければならないものとは、構造的に問題ないのか、露出しているコンクリートは健全か、断熱材は、仕様通りに施工されているか、設備的に問題ないのか、配管、配線に問題ないか、水漏れなど起こしていないか、そして、契約的なこと、仕様書・図面通りにその物ができているのか、お手持ちのパンフレットには、いろいろな仕様が載っています。それが、その通りにできているのかどうか、また、オプションでいろいろと注文した人にとっては、注文通りにできているかどうかと見ることはとても重要なことです。このように、本当にしなければならないことは多々あるのです。
内覧会は、時間が限られています。最大でも4時間程度です。体力、集中力も4時間くらいが限界です。この限られた時間の中で、本当に良い内覧会にしようと思えば、あまりに些細な汚れ・キズに気持ちが奪われてしまえば、大きなものが見えなくなってしまいます。汚れ、キズの指摘はほどよくしたいものです。
by Tadashi Yasumizu 2016.04.01