擁壁が真ん中でポッキリ折れている。
← 真ん中でポッキリ折れた擁壁
新しく開発をした敷地に家を建てたいのであるが、土留のためにつくった重力擁壁が真ん中でポッキリ折れて、工事ができないから、調査して解決策を出して欲しいという依頼でした。
← 折れたところは、10mm程度の隙間ができている。
見ると確かに真ん中で折れて、10mm程度の隙間ができています。確かに、これであれば、工務店も工事をするのに不安を感じると思います。このような割れ、隙間が生じた原因としては、横のL型擁壁を造るために掘削し、埋め戻しをする際に十分な締固め、転圧ができておらず、この部分が沈下し、この重力擁壁が折れたものと思われます。本来、埋め戻し、盛り土を行う際には、30cmごとにローラー、ランマー等で締め固め、転圧しなければなりません。また、土質が埋め戻しに適していなかった可能性もあります。
ところが、建物が建つ平地部分は、地盤をさわっていないようですので、沈下する可能性は低いように思われます。万が一、重力擁壁部分が不同沈下して折れたように、建物部分も同じように不同沈下すると、建物が傾き、基礎が割れ、周辺の陥没、排水管破損などの不具合が生じる可能性があります。
これを防ぎ、安全・安心な建物をつくるためには、地盤調査を行い、その結果を踏まえて、地盤改良計画を立てる必要があります。そして、その計画に基づき、適切な施工を行い、適切な地耐力を確保、確認した上で地盤保証をとることが必要かと思います。
by Tadashi Yasumizu 2017.03.06