検査済証が有りと無しとの違い
⇐検査済証
中古住宅を購入の際に、必ず、検査済証がありますか、どうですか?ということをまず、確認します。その建物に検査済証が有るのと無いとでは、雲泥の差があります。
まず、検査済証とはどういうものでしょうか。検査済証とは、その建物が建築基準法に適合しているのかどうかを証明するものです。建物を建てるときの手続き的な流れとしては、計画が終了した段階で確認申請を行います。これは、その計画建物が建築基準法に適合しているかどうかを審査して、適合しておれば、確認済証が発行されます。
確認済証が発行されたなら、着工となり、基本的に中間検査と完了検査の2回の検査が行われます。この検査は、検査員が現場に来て、申請した内容がその通りにできているものかどうかをチェックするものです。
中間検査は、建物の構造、規模などにより異なるのですが、木造であれば、建て方が終わり、屋根ができて、骨組みに金物や筋違い、合板などの耐力壁というものができた時に行われます。それで、合格となれば、主に構造部分が、建築基準法に定められている建築基準法に適合して、問題無しということになります。
⇐基礎型枠の検査
完了検査は、全ての工事が終了したときにその建物が計画通りに行われ、建築基準法に適合しているのかどうかをチェックされます。それで、合格となれば、建築基準法にできてるということで、晴れて、検査済証が発行されます。
それでは、検査済証が無い、つまりは、検査を受けていない、もしくは、受けたけれども合格していないとなるとどうなるのでしょうか。それは、その建物が建築基準法に適合しているのかどうか判らないということになります。ということは、もしかすると違法建築かもしれない、構造的に問題がある建物なのかもしれないということになります。
そうなると、せっかく、建物を気にいって、欲しいと思っているのに、本当に買っても大丈夫かということになります。仮にも買うことになったにしても、価格が下げられるというのは、やむを得ないということにもなるかもしれません。
よく、検査済証が無いけれども、この建物を買っても大丈夫ですかと相談を受けます。書類だけからすると、やめた方が良いといことになりますが、検査済証が無くても問題無いという場合もあります。物は良く、基準法にも適合しているけれど、何等かの理由でたまたま検査を受けなかっただけという建物も現実に多く存在します。今でこそ、ほとんどの建物が検査を受けていますが、20年以上も前ともなると、検査を受けている場合の方が少ないというのは事実です。
⇐中間検査
それでは、検査済証が有るのと無いのでは、購入していいのかどうかの判断基準はどう変わってくるのでしょうか。検査済証が有れば、すでに当時の建築基準法に適合して、構造的にも問題無いということになるので、あとは、建築されてから、今に至るまでの間における劣化状況を見るだけで済みます。劣化状況に問題なければ、問題無いということになります。ただし、古い建物であれば、現行の基準法に適合していない場合もあるので、そのチェックも必要になります。
検査済証が無い場合であれば、詳細調査が必要になります。劣化状況を確認することはもちろんのこと、構造的に問題無いかをチェックする必要があります。しかし、これをチェックするのは、困難な場合が多いのです。構造的なことは、天井裏、小屋裏、床下を除いても、壁や床に隠れて見えない場合がほとんどで、結果的には解らないということになります。場合によっては、天井や床下に点検口を設けたり、壁をやぶったりすることもあります。それでも、解らないということは、構造的に問題有りということになり、補強・補修して下さいとなるのです。その際に思いもよらぬ大きな出費もあるかもしれません。また、ローン減税を受ける際にも検査済証があれば、耐震基準適合証明が出しやすくなります。
このように検査済証が有るのと無いのでは、費用的にも大きな違いが出てしまいます。また、増築する時にも検査済証が必要になるので、違法建築をすること無く、検査は必ず受けましょう。また、購入する際には、検査済証がどうなっているのか、必ず、確認して購入するようにしましょう。
by Tadashi Yasumizu 2017.10.31