背割りに命中したビス

 耐震補強工事の仕事をしていて、気を付けることの一つとして、ビスの取り付け方があります。先日、ある耐震補強工事を行っている現場に行ってきたのですが、補強方法の一つに柱と土台、梁に接合金物を設置する方法があります。これは、阪神淡路大震災においては、多くの家屋が倒壊した原因の一つに柱が土台・梁から外れたことがあります。接合金物をそれを防止するために、重要な役割を担うものです。

 接合金物はそのような重要なものであるので、メーカーはいろいろ実験を繰り返し、大きな揺れに耐えるためにそれを取り付けるビスの本数、長さ、仕様までこと細かく規定しています。ですので、現場においては、メーカーが指定した方法により取り付けることが、所定の強度を出すために、重要になってきます。

背割りに命中したビス ⇐ 柱の背割りに命中したビス

 上の写真は、接合金物が柱に5本取り付けられているのですが、その内の一本が柱の背割りに命中して、ほとんど、効いていない状況になっています。背割りというものは、柱が乾燥などにより、不用意に割れることを防ぐために、予め、柱芯まで割れを入れているものです。したがって、この割れている部分にビスを付けても、耐力は通常の5分の4しか期待できないということになります。

 柱に背割りがあるというのは、十分に予測できるものですので、予め、スリム金物を使用するとか、背割りを避けて、ずらして設置するとか、添え木などで補強して、それに取り付けるなど工夫が必要となります。現場の大工さん、工事確認者は、このようなことのないように、十分にチェックするようにしましょう。

 by Tadashi Yasumizu 2016.11.08

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