昭和56年以前の建物は、なぜ危険?(その5)
昭和56年6月以前の旧耐震基準でつくられた建物は、危険である理由は、先に述べた通りですが、それでは、大地震が発生した際に倒壊しない建物にするためには、どうしたらいいのでしょうか。
⇐ 土葺き瓦は非常に重たい。
大地震が発生した際に倒壊しない建物にするためには
大地震において倒壊しない安全な建物にするためには、耐震補強工事が必要となります。現在、評点が0.4であることと想定して、倒壊しないというレベルまで耐震性能を上げるためには、評点を1.0以上にまでにすべきです。
その状況として、劣化を改善することが第一条件ですが、その他の条件として、
- 建物の重量を軽くする。
- 耐力壁は、バランスよく十分な量があること。
- 地盤は、強固であること。
- 柱頭・柱脚、筋違には接合金物があること。
- 基礎は、鉄筋コンクリート造であること。
これらの条件が揃えば、評点は、確実に1.0以上を満たし、大地震が発生しても「一応、倒壊しない。」となる。
耐震補強工事とは
それでは、具体的には、どのような工事が必要かといいますと、
- 屋根材を軽いスレートや金属板葺きに葺き替える。
- 劣化部分の改善をする。外壁のひび割れ補修、防水のやり替え、樋の取り替えなどです。
- 筋違いや構造用合板などによる耐力壁をバランスよく配置する。
- 柱頭・柱脚、筋違に接合金物を設置する。
- 鉄筋コンクリート造の基礎をつくる。
|
などが挙げられます。これらの工事を計画的に行うことにより、評点は、1.0以上となり、新耐震基準まで引き上げることができて、大地震が発生しても倒壊しない建物となります。
以上
by Tadashi Yasumizu 2019.03.21