内覧会で失敗しないために

 一生で最も、大きな買い物である家。その家の引き渡しの前に行われる内覧会。引き渡し後、気持ち良く生活できるかどうかは、内覧会をいかにうまく乗り切るかが勝負といっても過言ではありません。ここでは、どのような心構えで内覧会に臨むのか、どのような行動をとれば良いのか、アドバイスします。内覧会立会いの依頼を受けた場合には、チェック、業者さんとの対応は、こちらで行います。

 

ゆっくりとした気持ちで

 内覧会は非常に大切な機会なので、時間を気にしてはだめです。内覧会の後に重要な用事を入れてはだめです。何時までに内覧会を終わらせなければならないと思ってしまうと、重要なものを見落としたり、忘れてしまったりします。今日は、一日、内覧会の日であるという気持ちで、真剣にゆっくりとした気持ちで臨みましょう。

内覧会チェックの様子 ← ゆっくりとした気持ちでチェックする

 

気合を入れて、じっくりと見る

 いいかげんな気持ちで見てはいけません。針の穴まで、虫眼鏡で見てやるという気持ちが大切です。入居してから、このキズは最初からあったものか、引越しの時についたものかわからないということがないように、そして責任の所在をはっきりさせるためにも引渡し時には完璧なものをという気持ちで臨みましょう。しかしながら、本当に虫眼鏡で見ないと解らないようなキズ、汚れまで指摘すると、時間的にエンドレスで、体力的にもヘトヘトになり、重要なものが見えなくなってしまいます。虫眼鏡で見るというのは、気持ちだけで、あまりにも細かいことはほどほどにしましょう。ただ、気合を入れることは重要です。

 

昼間のゆっくりとした時間に

 夕方になって、陽が暮れてしまい暗くなると不具合は、見えにくくなってしまいます。特に居室には照明器具がついていない場合がほとんどですので、昼間の明るい時に見るというのは重要なことです。できるだけ、朝から明るい時間帯に内覧会をするようにしましょう。それでも、窓のない部屋は見づらいので、懐中電灯、投光器などは忘れないように。

内装のチェック ← 暗い部屋は、投光器をつけてチェックする。

 

の日は、良い機会

 内覧会が雨でしっかりと見ることができなかったというのは違います。雨の日に見ることは、非常に良いことなのです。例えば、バルコニーなどに水が溜まっていないか、水はスムーズに流れているか、窓の隙間から水が漏れていないか、壁は湿っていないか、など。雨だからこそ、チェックできることはいろいろとあります。是非、雨の日も有効に使って下さい。

 

最低2~3時間は必要

 業者さんは、よく30分程度と言われますが、30分程度ではプロでも見ることはできません。80㎡くらいのものでも、じっくりと見てゆけば3時間くらいはかかります。4時間かかることもざらです。業者の都合で30分とか1時間とか言われても、3時間は下さいとはっきりと言いましょう。ノーとは言わないはずです。他のお客様の接客がありますという人には、それでは、○○時○○分くらいに来てください、とか、終了する30分前に連絡します、とか答えましょう。時間を急かされて行うチェックは、良いチェックができません。

 

動きやすい服装で

 内覧会でチェックをするのに、スーツやスカートではだめです。内覧会は、立ったり、しゃがんだりの繰り返しなので、動くやすくて、汚れてもかまわない服装でいきましょう。作業服が最適です。夏などは、汗だくになるので、タオルやペットボトルなどを用意する事も忘れてはいけません。

 

業者さんとの交渉の仕方

 一通り、チェックが終わると不具合の箇所を施工業者の人と打合せをします。ここでは、しっかりと自分の主張や意見を伝えます。疑問点は納得するところまで聞きます。こんな事を言っては、嫌われるのではないだろうか、変な人だと思われないだろうかといろいろと考えてしまうのですが、遠慮する事はありません。購入者にとっては、当然の権利なのです。納得のゆくまで話し合います。ただし、相手も人間ですので言い方には配慮が必要です。

 

言いたいこと、聞きたい事は、はっきりと伝える

 内覧会は、引渡し前に施工業者に対し、言いたいこと、主張したい事を伝える唯一の機会です。気になるところ、直して欲しいことは、はっきりと伝えましょう。この機会を逃してしまうと、なかなか立ち会ってもらえない場合があります。

 

相手の言い分も尊重して聞く

 内覧会において不具合ではないかと指摘したつもりでも実は不具合でなかったということもしばしばあります。その事に対して相手はと説明をしてきます。しかし、買主にしてみれば、それが、言い訳にしか聞こえないという事もあります。相手の言うこともしっかりと聞いて、それが理にかなっているかどうか見極める事が必要です。また、不具合であっても本当に直せない場合もあるのです。相手も人間ですので、いくらこちらが買主であると思っても、一方的に発言して相手を罵るようでは、気分を害して、良い仕事をしてくれません。直せるものまでも直してくれないかもしれません。お互いに気持ち良く引き渡しができるように相手の主張も聞いて、尊重するようにしましょう。

 

毅然たる態度で。相手になめられてはいけない

 こちらが何か指摘をすると、不誠実な業者は、こんな面倒くさい事、お金がかかる事と思って、「こんなものですよ。」とか「現状有姿渡しです。」とか言って、取り合わないこともあります。また、できない理由をいろいろとでっちあげるてくる事もあります。その理由は、どうも納得できない、おかしいと素人でも何となく感じるものです。そういうところから不信感というのが出てくるのでしょうが、そういう場合には、その説明に納得がゆくまでしっかりと聞きましょう。しかしながら、本当にできない場合もあるので、その見極めは非常にむずかしいです。そういう場合には、第三者の専門家の意見などを聞くのも有効な手段です。

 

納得のゆくまで補修してもらう

 初めての内覧会が終わり、不具合が見つかると通常、2週間程度で補修工事を行います。その後に再内覧会が行われ、それにより、指摘された不具合が打合せした通りに補修されているかどうかを確認します。内覧会で指摘したものを必ず、ひとつひとつチェックしましょう。そして、納得がゆかなければ、さらに補修をしてもらします。直るまで何回でも言ってもかまいません。これは、買主の権利なのです。

 

内覧会の持ち物

ここでは、内覧会でチェックするのに必要な持ち物をまとめてみます。

image160905 図面・仕様書・パンフレット
契約時においての間取り、部屋の寸法、天井高さ、仕上げ、設備機器などが記載されています。実際の部屋がこの通りにできているかどうかをチェックするために必要です。
image160905-2 チェックシート
 何をチェックするのかを書いたものを部屋ごとに用意します。このチェックシートをもとに作業をすすめてゆくと、チェック漏れが少なくなります。
チェックシートのサンプルは、こちら⇒
image160905-3 筆記具
油性のボールペンが良い。指摘の番号をテープに書き込みます。油性のマジックは、たまに湧いてクロスなどの仕上げ材に付着する場合があるから注意します。
image160905-4  デジタルカメラ
不具合の箇所をデジカメで記録します。印刷して持っておくと、再内覧会でチェックするときによく解ります。
image160905-5  付箋(テープ)
キズや汚れなどの不具合箇所があったところにテープを付けます。付箋では、凹凸のあるクロスでは、すぐに剥がれてしまうので、ホームセンターなどで売っている粘着力の少し弱い青色、ピンク色の目立つ塗装用のマスキングテープが一番良い。
image160905-6 手袋(薄手の物
建具の把手や鏡など光沢のあるものをさわる場合に手垢や油などがつきやすいので、手袋を使用します。
image160905-7  スケール
部屋の寸法、天井の高さ、床のレベル、窓、建具の大きさなど図面通りにできているかどうかをチェックします。
image160905-8 懐中電灯
家具、押入れ、収納の中、天井裏など暗い所を見るにに便利です。
image160905-9 ソケット付き照明器具
居室には照明が付いていない場合があるので、照明コンセントに直に差し込んで、それが、照明器具の代わりとなるようにします。また、各コンセントに差し込んで通電しているかどうかをチェックするに便利です。
image160905-10 下振り
柱、壁が真っ直ぐに立っているかどうかを見るのに必要です。水平器を当ててみて疑いがある場合に使用します。
image160905-12 レーザー式墨出し器
床の傾斜を測定します。赤色のレーザーが出て、床の高低差がはっきりと解ります。
image160905-15 水平器
サッシュ、建具の建て付け、家具が水平、垂直に据えられているかどうかなどをチェックします。気泡が真ん中から外れていた場合、下げ振りなどで再確認すると良い。
image160905-11 ビー球(パチンコ玉)
レーザーレベル器で測量し怪しい部分にパチンコ玉を転がしてみます。レベルがおかしいと転がりますので、視覚的にすぐにわかります。
image160905-13 アルミ脚立
点検口から天井裏を覗いたり、家具の上部を見たり、高い所に付箋を付けるのに必要です。2段くらいもので十分です。足元は、床仕上材を傷つけてはいけないので、必ず、養生するようにする。
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