カビ調査(その2)・・・・カビ発生の原因と人体に及ぼす影響
ここでは、カビが発生する原因とそのカビにより、人体に及ぼす健康被害について、考察してみます。まずは、カビとはどういうものであるかを知る必要があります。
カビとはどういうものか
カビとはどういうものであるとかというと、カビの胞子は空気中を浮遊していて、この胞子が、壁をはじめ、あらゆるものに付着します。カビの生育する条件を満たしていれば、数時間で発芽が始まり、その先端が伸びはじめ、あちこちに枝を出して菌糸をつくります。
菌糸は網目状に枝分かれさせながら広がり、長い糸状の菌糸体となって、目に見えるくらいの大きなカビとなります。そして菌糸の先や途中から胞子をつくる枝をたくさん出して、その先端に多数の胞子をつくり、ここで成熟したカビの胞子が、空気中に放出、飛散され、空中浮遊菌となります。さらに、生育条件が整うと、あっという間にカビは広がってゆきます。カビが、繁殖する条件は次の4つです。
カビが発生する原因とその条件
カビが発生するための条件としては、
1)温度
2)湿度
3)栄養分
4)空気(酸素)
が適度に満たされているときに発生します。
⇐ 温度26,3%, 湿度80%
1)温度
カビは5~45℃で繁殖する。一般にカビは20℃を越えると急に活気づき、28℃前後がもっとも繁殖が盛んになります。
2)湿度
カビには水分が必要で湿度60%以上で繁殖するが、80%を越えると猛烈な勢いで繁殖します。
3)栄養分
カビが繁殖するには、栄養が必要で、ホコリ、汚れ、塗料、接着剤なども栄養源となります。
4)空気(酸素)
カビが発育するためには酸素を必要とします。
この四条件のうち、一つでも欠けるとカビは発生しません。今回の地下事務所の状況に、このカビの発生条件を当てはめてみると、写真の通り、気温 26.9度、湿度 80%です。栄養分も空気もたっぷりあります。この状況は、カビの恰好の住か、の温床となっています。
人体に及ぼす影響と健康被害
それでは、このようなカビ発生の状況であると、人体にどのような影響がでるのかというと、カビの胞子が体内に入ることにより、気管支ぜんそくや鼻炎といったアレルギー症状が現れる場合があります。また、感染症、中毒などで、場合によっては命の危険に陥ることもあります。カビが繁殖した環境に暮らしていると、このような健康被害を引き起こすので、カビ発生の原因を追究し、カビの発生を根本的に改善しなければなりません。
by Tadashi Yasumizu 2019.03.16