昭和56年以前の建物は、なぜ危険?(その4)
阪神・淡路大震災で倒壊した原因として、地震で大きく揺れたことにより、家を支えている柱や筋違いが土台・梁から抜けた、屋根・外壁材の劣化により水が侵入して柱・土台が腐食したなどをあげました。それでは、昭和56年6月以前の旧耐震基準でつくられた建物は、どれくらいの割合で耐震性が不足しているのでしょうか。
⇐ 昭和53年につくられた小屋裏
昭和56年6月以前(旧耐震基準)につくられた建物の評価
日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(木耐協) で実施した耐震診断のうち、一般的な統計として、平成18年4月1日から平成22年11月30日まで(4年8ヶ月)に11、121件の耐震診断結果を分析したところ、昭和56年6月以前の旧耐震基準でつくられた建物は、95%以上で評点が1.0以下であり、耐震性に問題有りという結果となっています。それでは、再度、マグネチュード8~9程度の大地震が30年以内に発生する確率は、どれくらいなのかと言いますと、
震度7以上の大地震が発生する可能性
政府の地震調査研究推進本部の研究によると、マグネチュード8~9程度の大地震が30年以内に発生する確率は、70~80%としています。つまりは、昭和56年6月以前の旧耐震基準でつくられた建物は、30年以内に70~80%の確率で倒壊するということになります。
詳細は、地震調査研究推進本部 の ホームページ「南海トラフで発生する地震」にて
ここまで、記事を読んでいただいた人は、昭和56年以前の建物は、なぜ危険なのか、ご理解いただいたかと思います。それでは、今後どうしたらいいのかを次に説明したいと思います。
by Tadashi Yasumizu 2019.03.20