確認申請にどれくらいの時間がかかるのか
質問内容
鉄筋コンクリート造の住宅ですが、間取りと外観が決まり、これから確認申請をするのですが、その確認申請がおりるのにどれくらいの期間がかかるのでしょうか?
回 答
鉄筋コンクリート造に限らず、一般的な住宅の確認申請に係る時間について考えてみたいと思います。住宅の場合、木造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造、木造と鉄筋コンクリート、鉄骨造の混構造といろいろな構造のものがあります。また、市街化調整区域、地区計画、市街化区域、風致地区、景観地区とかいろいろな地域があります。また、大規模住宅と小規模住宅のもの、出すタイミングで設計事務所、役所の込み具合というのもありますので、一概に何日かかると決めることは難しいものがあります。あえて、どれくらいかかるかというのを説明しますと、
木造の場合(100㎡程度、2階建て)
一般的に間取りが決定すると、申請図というものを作成します。その申請図には、平面図、立面図以外に敷地の形状と建物の配置をかいた配置図、敷地と建物の面積を計算した求積図、建物を縦と横に切った断面図、換気計画を記載した換気計画図など、建築基準法などの各種定められた法律に適合しているかどうかチェックするための図面があります。この図面は、間取り図のような建築主の要望をもとに作成したものですが、意匠図、実施図とは別のものです。
まずは、この申請図を作成することから始まります。申請図をかくだけでしたら、比較的早くできるのですが、さらに敷地を調査したり、行政と打合せが必要だったりする場合もあります。そして、同時に申請書類も必要となってきますので、それらの図面、書類作成で、1~2週間程度かかるかと思います。もちろん、その時の設計事務所の込み具合とかで変動します。もし、申請図をかいている間に納まらないところが出たり、法律的に不適合というのが出たりすると、それを解決するのに、調査したり、打合せしたりすると、さらに1~2週間かかることもあります。
これが、できあがると、事前調査と称して、確認申請の前に役所のチェックが入ります。これは、確認申請と並行して行われる場合もあります。この事前調査では、役所内部の各課(道路課、開発課、水道課など)を一つ一つ廻っていきますので、通常、1~2週間かかります。ここで、何か不適合なことがあると、さらに詳細調査、修正などが入り、その分、時間がかかることになります。別に、風致とか地区計画などがあると、それ専用の申請図が必要となりますので、その分、さらに1~2週間かかります。
このようにして、事前協議、風致などがOKとなると、確認申請ということになります。最近は、ほとんどが民間の審査会社に依頼しますので、比較的、早くできます。それでも、申請図の内容に修正が出たりしますので、1週間程度はかかるかと思います。
これからすると、何もなくて、すっと行った場合でも間取り決定から申請がおりるまで、1ヶ月程度はかかると思った方がいいと思います。これは、行政によって、手続きの仕方が変わり、それにより時間も変わってきますので、その都度、確認が必要です。
木造3階建て、鉄筋コンクリート造、鉄骨造、混構造の場合
木造3階建て、鉄筋コンクリート造、鉄骨造、混構造の場合ですと、他に構造計算と構造図が必要になってきます。これは、事前協議、確認申請で変更が出ると、構造計算も同じように変更となりますので、一般的に事前協議、意匠関係の確認申請が終了してから提出する場合が多いです。しかし、それでは、あまりに時間がかかりますので、ある程度は、構造設計者により、並行して進めていきます。
ですので、構造計算・構造図の作成は、木造2階建ての場合よりさらに2週間~1ヶ月程度余分にかかるとみた方が無難です。しかしながら、構造計算・構造図の作成中に構造的に納まらないところも出てきますので、それを修正するのにさらに時間がかかる場合もあります。
また、構造計算偽装事件以来、大規模建築に対しては、構造計算適合性判定と言って、さらに第三者機関がその構造計算・構造図をチェックすることなりますので、2~3週間程度余分にかかるということになます。この構造計算適合性判定がOKとならなければ、確認申請はOKとはなりません。
こうなると、木造2階建て以外の木造3階建て、鉄筋コンクリート造、鉄骨造、混構造の場合場合は、1~2ヶ月、さらに大規模で複雑なものであれば、2~3ヶ月くらいかかる場合もあります。これに、ゴールデンウイーク、正月が挟むと、さらに時間がかかることになります。いずれにしても、規模、状況により大きく変動しますので、その都度、状況の確認が必要です。