住まいづくりは、何から始めるのか
相談内容
今回、初めて、家をつくることになりました。何から始めたらよろしいでしょうか?
回 答
住まいづくりというと、家族で作り上げる共同作業です。決して、一人で住むものではありませんので、まず、家族全員の意見というものをまとめなければなりません。
家族が何人か集まると、それぞれ、いろいろな思いがあります。それぞれの夢も違うし、ライフスタイルも違います。それ相応に十分に話し合う事が必要かと思います。
○ 一人一人がどんなライフスタイルか
○ 10年、20年、30年後は、どうなっているのか
○ どんな家を望んでいるのか
家に何を求めるのか。これらを明確にすることによりこれからの家づくりの方針が決まります。
一人一人がどんなライフスタイルか
今のライフスタイルは、どんなものでしょうか?
ある家族は、子供が2人、男の子と女の子。今は小さいが、思春期の頃には、それぞれの子供部屋が欲しい。お父さんは、毎日帰るのが遅く、休みも家にいないくて、ただ、寝るだけの生活。お母さんは、専属主婦で子育てと家事中心の生活。少しでも、家事が楽になって欲しいと思っている。
また、ある家族は、仕事柄、毎日のようにお客さんが尋ねてくるので、プライベートの部屋と客の部屋と完全に分離したい。子供は、アレルギーがひどく、で新建材は使用することができない。娘は、お稽古で毎日、ピアノの練習をする。隣人に気を使うことなく、お稽古がしたい。御主人は、読書が趣味で一人でゆっくりと落ち着いた部屋が欲しいと思っている。
このように、家族には、様々なライフスタイルがあります。まず、今が、どんなライフスタイルかをじっくり見つめてみることが家づくりのスタートです。
10年、20年、30年後は、どうなっているのか
今のライフスタイルは、わかったのですが、次は、将来は、どうなってゆくかです。子供は、成長するし、親は、年をとってゆく。
子供が成人すると、独立して家を出て行ってしまいます。子供と会うのは、赤ちゃんを連れての月に一度だけということにもなります。それとも、子供と同居するのかもしれません。そうなると、二世帯に適応できるようにしておかなければなりません。
親が、60歳も超え年金生活ともなると、体の衰えは隠せません。若い頃と同じように階段を昇り降りするのも苦痛になってくるでしょうし、脚が悪くなれば、敷居をまたぐのも大変になってきます。敷居につまづいて転倒したともなれば、大変です。敷地に高低差がある場合ですと、エレベーターも必要になる可能性もあります。バリアフリーの事も考えて、建築する必要があるのです。
将来がどういうライフスタイルになってゆくかを想定して家のプランニングを考える必要があるのです。
どんな家を望んでいるのか
家には、いろいろな家があります。家には、それぞれ個性があり、それぞれの人が求めるものも全て違います。
そこで、建築主であるあなたは、どんな家をつくろうとしているのか、明確にイメージすることが必要です。例えば、外壁が全てタイル貼の家が欲しいと思っているのか、玄関に大きな吹き抜けが欲しいと思っているのか、収納がたっぷりと欲しいと思っているのか。家族でバーベキューを楽しめる家がいいのか、ひょっとすると、屋上菜園が欲しいのかもしれません。
まず、自分の希望をはっきりとさせることです。もし、イメージが明確に浮かばないのなら、住宅展示場に行くのも良いし、雑誌などを参考にしてもいいでしょうし、知人の家を訪問するのもよいでしょう。
よく、全てあなたにお任せします、という建築主を見かけます。図面も見ない、見積書もみない、契約書も見ないといういう人。私は、素人だから見ても解らないという人。つくる側からすると一見、良いお客様に見えますが、そういう人こそ、できあがってからクレームが多いのです。
家に何を求めるのか
家を建てるときには、当然、それぞれ、求めるものがあると思います。もちろんそれは、各人によって違います。家族の団欒、快適、安らぎ、安堵感、安心感、地震に絶対に強い家。いろいろとあります。精神的なものを求めようとする人もいれば、物質的なものを求める人もいます。
これから、話してゆく中に、できる事、できない事、いろいろな事が起こります。家族会議を開いてもなかなか意見がまとまらない場合もあります。いろいろ欲求があっても、費用、法規、構造など、制限がありできない事も多々あります。その中で何を一番、大事するのか、家に何を求めるのかをしっかりと考え、家族で話し合って下さい。
家づくりを考えることは、これからの家族の生き方を考えるということです。いろいろと将来の夢を描いてそれをカタチにしてゆくというのは、とてもワクワクして楽しいことです。どうぞ、自分だけの個性あふれる楽しい住まいづくりを体験して下さい。