欠いてもよい梁と欠いてはいけない梁
相談内容
木造の2階建ての家なのですが、この間、現場に行ってきました。すると、1階の天井に埋込空調機が付くことになっているのですが、取り付けされている部分の梁が欠き込みされていました。現場の人は、問題無いと言っているのですが、本当に問題ないのでしょうか?
回答
木造軸組工法の場合、欠き込みをしてもよいい梁と欠き込みをしてはならない梁とがあります。その見極めが大事かと思います。
欠いてもよい梁と欠いてはいけない梁
具体的に、欠いてはならない梁とはどのような梁かというと、
- 欠いている部分が耐力壁の中であり、筋かいや構造合板が設置されている。
- 欠いている部分に屋根からの大きな荷重がかかる柱が設置されている。
- 欠いている部分にピアノとか本棚とか重たいものが載る。
- 欠いている部分が大きなスパンである梁であり、撓む可能性が大きい場合。
- 欠いている部分に継手などがある場合。
などです。解りやすくいうと、欠き込みをしてもよい梁というのは、地震や台風がきたりして、重量物を床に置いたりして、建物に大きな力が加わったときに、その欠き込みをした梁が建物に影響がないようであれば、問題無いということです。
また、例外として、荷重がかかる部分であっても、構造計算により、安全性が確保されていて、問題が無いことが証明できている場合でしたら、欠き込みをしても良いとも言えます。
この判断は、素人では無理ですので、心配なようでしたら、木造住宅に精通した建築士に相談するのがよいかと思います。
欠き込みをした梁は、補強が必要。
例え、欠き込みが問題無いとしても、欠き込みをした部分は、他の部分よりも弱くなることは間違いないので、補強は必要です。その部分を、足で踏んだら、床板がへこむようではいけないし、欠き込みが大きいばかりに、長い時間がたてば、梁が湾曲することもあります。欠き込みが問題無いことが解ったら、次には、補強方法が問題無いことを確認しましょう。
いずれにしても、最も良い方法は、欠き込みをしないのが一番良い方法です。そうするには、どうしたら良いかと言いますと、天井埋め込み空調機を取り付けて欲しいということをできるだけ早く、しかも、工事前に伝えることです。早ければ、早いほど、設計段階で梁を避けるような計画をすることができます。
もし、工事が始まってから、天井埋め込み空調機に変更するという事になれば、今からでも間に合いますかと聞いてみることです。どういう状況かを確認して、費用が発生するものなのか、変更しても問題無いものなのか、確認が必要です。変更が遅くて、補強が必要になったり、一旦、付いていた梁を移設するともなると、追加金を請求される場合もあります。