設計・工事監理業務報酬の決め方
質問内容
ホームページで目にとまったある設計事務所に設計監理の依頼をしようと思って、相談したところ、設計監理料は、工事金額の10%と言われました。これは、適正なのでしょうか?
回 答
建築士に設計・監理の業務を依頼する場合の報酬としては、平成21年1月7日に新しく業務報酬基準が国土交通省告示第15号において、正式に定められました。これには、建築士の実績、建物の種類・構造・規模などにより、業務内容とそれに対する報酬基準が細かく分類されています。
例えば、150㎡程度の木造住宅であると、設計において、建築士が費やす時間は、717時間、工事監理においては、337時間としています。一日の労働時間を8時間とするならば、717時間÷8時間=89.63日かかるということになります。これに、建築士の単価を掛けたものが、直接の人件費となります。
建築士の一日の単価の決め方としては、一級建築士であるならば、その資格を取得してからの年数、実績によって、決められています。高度な専門知識を持ち、統率能力のあるような建築士であれば、一日の単価(一人工)が5万~6万円くらいです。これからすると、設計業務の直接人件費は、89.63日×5万円=448.15万円となります。工事監理業務の直接人件費は、337÷8×5=210.63万円となります。設計と工事監理を合計すると658.78万円となります。
この直接人件費に事務所経費、物件の難易度などを加えたものが、最終的な設計・監理料となります。そうなると、最終的に1000万円以上になります。
これに関しては、国土交通省より、解りやすくパンフレットが出されていますので、参考にして下さい。
「国土交通省 新しい建築設計・監理 業務報酬基準」は、こちら⇒
これが、国土交通省が定めた報酬基準なのですが、これでは、あまりに高額で非現実的なので、実際は、その依頼先の設計事務所が独自に費用を決めているというのが、現実です。通常、どこの設計事務所においても、木造注文住宅の場合でしたら、工事金額の10~15%が多いようです。
ですから、仮に工事金額が3000万円であるならば、10%として、設計監理料は、300万円ということになります。これに確認申請料は別という事務所もありますので、十分な確認が必要です。