建物の構造と安全性
中古住宅を購入する際に建物の構造や基礎、柱や梁の状態を調査するには、以下のような手順を踏むとよいでしょう。通常はプロの建築士やインスペクターに依頼しますが、基礎知識を持っていると自身で確認する際に役立ちます。
事前準備
- 公的書類の確認: 建築確認申請書や設計図書を確認し、元の設計内容を把握します。
- 建物の履歴確認: リフォームや増築の履歴があればその内容を確認します。
外観検査
基礎
- 亀裂の有無: 基礎に大きな亀裂があると構造に影響を及ぼす可能性があります。
- 水抜き孔の確認: 水抜き孔が詰まっていないか、劣化していないかを確認。
- コンクリートの劣化: コンクリートの剥離や膨張、ジャンカがないか確認。
外壁
- 亀裂の有無: 壁に水平・垂直方向の亀裂がないか確認。
- 外壁材の劣化: モルタルやサイディングの劣化がないか確認。
- 防水: 雨漏りの兆候やコーキングの劣化がないか確認。
屋根
- 屋根材の状態: 屋根材の割れ、ずれ、腐食がないか確認。
- 雨樋の詰まり、勾配: 雨樋が詰まっていると雨水が溢れ、壁や基礎にダメージを与える可能性があります。受金物の劣化により軒樋の勾配が狂っているとオーバーフローを起こし、雨漏りの原因となります。
内部検査
床
- 傾斜の有無: 床が傾斜している場合は地盤、基礎や土台の問題が疑われます。
- 沈み込みの確認: 歩行時に床が沈む場合は床下の腐食や蟻害の可能性があります。
柱・梁
- 亀裂の有無: 柱や梁に亀裂がある場合、構造的な問題の可能性があります。
- シロアリ被害の有無: 柱や梁にシロアリの被害跡がないか確認。
天井
- 雨漏りの跡: 天井に水染みがないか確認。
- 梁や小屋組の状態: 点検口より天井裏を見ることができる場合は、梁や小屋組に問題がないか確認。
設備の確認
給排水
- 水漏れの有無: 水道管や排水管に水漏れがないか確認。
- 排水状況: 排水の流れが悪くないか、詰まりは無いか確認。排水管の勾配、配管の支持状況を確認。床下、会所内を確認すると良い。
電気設備
- 電気容量・配線の状態: 容量に問題ないか、漏電していないか、配線状況、配線に異常がないか確認。
- コンセントの確認: 十分な数のコンセントがあるか、使用可能か確認。
ガス設備
- ガス漏れ: ガス漏れがないか確認。
専門家による調査
プロの住宅インスペクターや建築士による調査を依頼することで、上記の調査に加え詳細な診断結果を得られます。
調査報告書の作成
調査結果をまとめた報告書を作成し、住宅の状態や必要な修繕箇所、補修の必要性を明記します。補修の必要性があるとするならば、凡その費用が解れば安心である。