図面のチェック
図面(設計図)というのは、建築主の要望・イメージを聞き、設計士の意図とするものを建築主に確認し、第三者(施工者)に明確に伝えるために図と文字にて表現したものです。そして、施工者は、この図面(設計図)に基づき見積書を作成して、工事金額を決定後、契約をして、工事を行ないますので、非常に重要なものです。
しかしながら、設計図には、専門用語の羅列、専門の図面記号が羅列しており、なかなか一般の方では、わかりにくく、出来上がればもっと設計図を理解しておればと後悔されている方が多く見られます。
「あんしん住宅相談室」におきまして、解りにくいとされる図面を第三者的にチェックし、お客様の質問・疑問にお答えし、出来上がってからの失敗を少しでも防ぎます。
契約時に必要な図面リスト(木造軸組工法の場合)
ここでは、木造軸組工法における契約時に必要な図面リストをあげます。鉄筋コンクリート造、鉄骨造では、構造図面が異なります。
意匠図
図 種(縮尺) | 内容の説明 |
特記仕様書 | 工事内容の説明、材料の仕様、工法の指定、業者の指定などが書かれている。 |
外部仕上表 | 建物外部の仕様。屋根・軒裏・外壁などの材料の仕様などが書かれている。外構工事も含まれる。 |
内部仕上表 | 内部の床・巾木・壁・天井の材料の仕様。各部屋の家具の仕様及び特記事項。 |
配置図 1/100,1/200 |
敷地に建物がどのように配置してあるのか。また、道路との関係、高低差、隣地との関係も書かれている。 |
敷地・建物求積図 1/100 |
敷地と建物の面積計算をしたもの。 |
各階平面図 1/100 |
各階の間取り図。床から1m上くらいの所を切って、上から下を見下ろした図。各部屋の配置、扉・窓・家具の配置が書かれている。最初の間取りは、この平面図により打合せをする。 |
立面図 1/100 |
建物を正面から見た図。東西南北面それぞれ表現されている。平面図と照らし合わせながら、窓の大きさ・位置・建物の形などを確認する。 |
断面図 1/100 |
建物の各主要な部分を縦に切った図。天井高・軒高・階高などの高さ関係などが書かれている。 |
矩計図 1/30,1/50 |
断面をさらに詳しく表現したもので、基礎・床・壁・天井・軒裏・屋根などの工法・材料仕様、高さ関係などが詳しく書かれている。 |
天井伏図 1/50,1/100 |
各階の天井の形状・材料・仕様などを下から見上げたもの。照明器具の配置なども表現される。 |
各階平面詳細図 1/30,1/50 |
各階の平面をさらに詳しく表現したもの。材料・仕様・寸法、家具の形状・仕様、部屋の高低差など詳しく書かれている。 |
各部詳細図 1/20,1/30 |
重要な部分の納まり・形状・仕様などの詳細を表現したもの。 |
展開図 1/30,1/50 |
各部屋を正面から見た図。東西南北面それぞれ表現されている。窓・扉の位置、大きさ、形状、家具の大きさ姿図などが書かれている。 |
建具リスト 1/50 |
内外部の建具の配置・個数・形状・仕様・寸法などか書かれている。 |
外構図 1/100 |
門アプローチ・車庫・物干し場・テラス・塀・造園などの建物に付随して必要な物の仕様・材料・形状などが書かれている。 |
構造図
図 種(縮尺) | 内容の説明 |
基礎伏図 1/100 |
基礎の形状、配筋を上から見たもの。 |
床伏図 1/100 |
床の構造材の仕様・寸法、耐力壁の配置、接合金物の種類・配置などを上から見たもの。 |
各階梁伏図 1/100 |
各階の構造、梁の材料の仕様・寸法などを上から見たもの。 |
小屋伏図 1/100 |
屋根裏の構造、梁の材料の仕様・寸法などを上から見たもの。 |
軸組図 1/100 |
各壁の構造、柱などの材料の仕様・寸法などを縦に切ったもの。 |
設備図
図 種(縮尺) | 内容の説明 |
電気設備図 1/100 |
電気に関する情報、コンセント・スイッチ・照明・電話・インターホン・テレビなどの仕様・材料、引込からの配線経路などが書かれている。 |
給排水衛生設備図 1/100 |
給排水に関する情報、衛生器具などの仕様・材料、引込からの配管経路などが描かれている。ガス配管も含まれる。 |
空調設備図 1/100 |
空調に関する情報。エアコン・換気扇機器の位置・仕様・配管経路などが書かれている。 |
以上が、契約・施工時に必要な図面です。しかしながら、契約時には細かいところまで決まっておらず、図面が無く、概算で見積・契約して、後になり、トラブルになるケースもありますので、十分な注意が必要です。