予算・工期などから建築主と施工会社とが条件に合意のできた段階で、いよいよ工事契約をすることになります。 契約書を作製するのは、契約の成否ないし内容について後日、トラブルになったとき、立証を容易にするためで、通常は、施工会社が作製することになっています。それには、工事期間・工事代金・支払方法・工事範囲などが記されています。この契約書の他に、工事請負契約約款・設計図面・仕様書・見積書が添付されます。 工事請負契約約款とは、いろいろな形式のものがありますが、通常は、建築関連団体4団体で協定して作製したものがよく使われます。これに、工事範囲などの契約内容が明確に示されています。後日トラブルが生じたときは、この契約書をもとに都道府県に設置されている建設工事紛争審査会の審判をあおぐことになります。 契約の取決めの仕方 契約時において取決ることを列挙しますと、 ●工事期間 入居したい日から逆算して、着工日・工事完了日・引渡し日を決定します。規模にもよりますが、工期は、木造で50坪程度の家ですと通常、4ヶ月から6ヶ月くらいが普通です。 ●代金の支払い方法 いろいろな場合がありますが、支払い条件は、施工会社と話し合ってください。通常は、契約時1/3・上棟時1/3・竣工時1/3、契約時1/4・上棟時1/4・中間時1/4・竣工時1/4、などが多いです。 ●引渡しが遅れた場合 工事中に仮住まいしている場合など、工事の遅延のため予定日に入居できなかったら損害を被ることもあります。その時に備えて、止むを得ない場合を除いて、引渡しが遅れた場合、違約金などの取決めをしておきます。たいてい、遅れた工事日数につき請負代金の1000分の1というのが多いようです。 ●工事上の瑕疵の担保期間 引渡し後に欠陥があることがわっかた場合は、法律により、主要構造部分については、10年となっています。それ以外は、5年が多いようです。 以上のような、取決めの他にも契約内容について自由に話し合ったらよいと思います。 契約時の注意点 契約は、施工会社と建築主とが結ぶものですが、設計事務所がかんでいる場合は、設計監理者の立会いのもとで調印するのが普通です。 工事契約書は、2通作成して、建築主と施工会社が捺印して保管しておきます。印鑑は、建築主は、実印を、施工会社は社印と代表取締役印で捺印して下さい。工事契約書には、印紙を貼ります。