住まいづくりの基礎知識

 INDEX

●はじめに
●住まいづくりの第一歩
●基本的な考え方
●費用のチェック
●建物と費用の関係
●資金の調達
●土地の準備
●どこに頼むのか
●建築士の仕事と報酬
●建築の法律
●間取りと部屋の計画
●図面の見方
●見積書の見方
●施工会社の選び方
●工事契約の仕方
●建築の式典
●工事が始まってから
●引渡し
●地震に強い家
●バリアフリー住宅
●シックハウス症候群
●家相について
●3階建住宅
●二世帯住宅
●木材の知識
●外観のデザインと材料
●内装の材料
●断熱と結露
●住宅の品質保証
●万一のトラブルの時に
●電気設備について
●水まわりの設備
●空調設備について
●エクステリアについて
 
 
お問合せは、こちらへ

 

株式会社アーキアシスト
住まいのコンサルティング
建築の企画・設計・監理
第三者からの工事監理
建物診断・耐震診断
 
 
 
  図面の見方
 

 さて、建築士と何回も打合せをして、数週間たって、図面ができあがりました。いよいよとあなたの夢が現実になってゆく最もワクワクする瞬間ではないでしょうか。
 しかし、できあがってきた図面が専門用語と記号だらけで全く解らない、見る気もしないという方もいるのではないでしょうか。そして、わからないまま、工事が始まって、出来上がってゆくのを見ているうちに自分のイメージしたものと違うというトラブルもしばしば発生します。
 こうことを防ぐためにどうしたら良いのでしょうか。そのためには、あなた自身が図面を見るための知識を持つことが必要です。細かい専門的なことまで知る必要はないと思います。あなたが建築士に要望した事が、本当に伝わっているかどうか、あなたのイメージしているライフスタイル通りの家がほんとにできるのか。その程度が確認できればいいのではないかと思います。そのための図面の見方を説明します。 

基本設計図
 基本設計図とは、最初に要望・イメージを建築士に伝えたラフなプランを描いた図面で、基本設計で設計契約をします。実施設計は、基本設計図に基づいて設計をします。基本設計図は、平面図・立面図・透視図(完成予想図)程度しか描かれないのが普通です。

実施設計図
 基本設計図でもって、設計契約したならば、本格的に実施設計に移ります。この実施設計図には、事細かく、実際にどう工事を行ってゆくのか、建築主の要望・設計者の意図が指示されています。
 実施設計図に基づいて、施工会社が見積・工事を行います。実施設計図には、多い場合なら100枚くらいの図面の枚数になります。どんな図面があるのかといいますと、

図   種

縮 尺

内           容

特記仕様書

工事内容の説明、材料の仕様、工法の指定、業者の指定、などが書かれている。

外部仕上表

 

建物周りの仕様。屋根・軒裏・外壁などの材料の仕様など書かれている。外構工事も含む。

内部仕上表

 

内部の床・巾木・壁・天井の材料の仕様。各部屋の家具の仕様及び特記事項。

配置図

1/100,1/200

敷地に建物がどのように配置してあるのか、また、道路との関係、高低差、隣地との関係も書かれている。

敷地・建物求積図

1/100

敷地と建物の面積計算をしたもの。

各階平面図

1/100

各階の間取り図。床から1m上くらいの所を切って、上から下を見下ろした図。各部屋の配置、扉・窓・家具の配置が書かれている。最初の間取りは、この平面図により打合せをする。

立面図

1/100

建物を正面から見た図。東西南北面それぞれ表現されている。平面図と照らし合わせながら、窓の大きさ、位置、建物の形などを確認する。

断面図

1/100

建物の各主要な部分を縦に切った図。天井高・軒高・階高などの高さ関係などが書かれている。

矩計図

1/30,1/50

断面をさらに詳しく表現したもので、基礎・床・壁・天井・軒裏・屋根などの工法・材料仕様、高さ関係などが詳しく書かれている。

基礎伏図

1/100

基礎の形状を上から見たもの。

床伏図

1/100

床の構造、材料の仕様・寸法、配筋などを上から見たもの。

各階梁伏図

1/100

各階の構造、梁の材料の仕様・寸法などを上から見たもの。

小屋伏図

1/100

屋根裏の構造、梁の材料の仕様・寸法などを上から見たもの。

天井伏図

1/50,1/100

各階の天井の形状・材料・仕様などを下から見上げたもの。照明器具の配置なども表現される。

軸組図

1/100

各壁の構造、柱などの材料の仕様・寸法などを縦に切ったもの。

各階平面詳細図

1/30,1/50

各階の平面をさらに詳しく表現したもの。材料・仕様・寸法、家具の形状・仕様、部屋の高低差など詳しく書かれている。

各部詳細図

1/20,1/30

重要な部分の納まり・形状・仕様などの詳細を表現したもの。

展開図

1/30,1/50

各部屋を正面から見た図。東西南北面それぞれ表現されている。窓・扉の位置、大きさ、形状、家具の大きさ姿図などが書かれている。

建具リスト

1/50

内外部の建具の配置・個数・形状・仕様・寸法などか書かれている。

外構図

1/100

門アプローチ・車庫・物干し場・テラス・塀・造園などの建物に付随して必要な物の仕様・材料・形状などが書かれている。

電気設備図

1/100

電気に関する情報、コンセント・スイッチ・照明・電話・インターホン・テレビなどの仕様・材料、引込からの配線経路などが書かれている。

給排水衛生設備図

1/100

給排水に関する情報、衛生器具などの仕様・材料、引込からの配管経路などが描かれている。ガス配管も含まれる。

空調設備図

1/100

空調に関する情報。エアコン・換気扇機器の位置・仕様・配管経路などが書かれている。


 また、鉄筋コンクリート造・鉄骨造ならば、この他に、鉄筋・鉄骨リスト・配筋リスト・架構図などの構造図があります。
 一般的に、建築主は、仕上表・配置図・平面図・立面図・展開図・外構図くらいを理解できればいいと思います。この部分をおろそかにすると、後でイメージと全然違うと、後悔することにもなりかねませんので、しっかりと勉強して下さい。 他の図面に関しては、施工会社が見積・施工するときに必要な情報ですので、建築士から説明を受ける程度で良いと思います。

 また、図面を読み取るために、ある程度の図面表示記号を理解する必要があります。

出入り口一般 回転扉 片引き戸 シャッター
上げ下げ窓 格子付窓 引込戸 折タタミ戸
網戸 両開き戸 両開き窓 両開き防火戸及び防火壁
片開き戸 伸縮間仕切り 雨戸 片開き窓
片開き窓 シャッター付窓 自由扉 引き違い戸
網戸 FIX窓 引違い窓 階段

平面表示記号



 上図は、100分の1の図面の一例です。ある程度の打合せが進めば、確認として平面図(間取り図)が出来上がります。この図面により確認する事は、

  • 部屋の種類、数、大きさ、位置、使い勝手
  • 建具の種類、大きさ、位置、開き方
  • 家具の種類、大きさ、位置、使い勝手
  • 収納の種類、大きさ、位置、使い勝手

などです。図面により確認することは、最も基本的で非常に大切なことなので、絶対におろそかにしてはいけません。わからなければ、設計士に聞いて、納得のゆくまで話し合いをする事が必要です。




壁一般 鉄筋コンクリート壁 軽量壁 普通ブロック壁
軽量ブロック壁 地盤 木材(化粧材) 木材(構造材)
木材(補助構造材) 割栗石 石材 左官仕上
ガラス 保温、吸音材

材料構造表示記号




電気設備表示記号


その他(透視図・模型

 以上が図面についての説明なのですが、その他にどんな家ができるのかを知る手段として、透視図(パース)や模型があります。透視図は、よくマンションの広告や工事現場に貼ってある看板についているのですが、完成予想図としてよくスケッチが描かれていますがその事です。第三者には、形は色などの雰囲気が一番よく伝わるのですが、全てが表現しきれません。
 また、模型ですが、複雑な建物になればなるほどその雰囲気がよく伝わってきます。しかし、透視図と同じように細かい部分の表現までわかりません。

3Dで描いた透視図(パース)



 設計士は、出来上がりのイメージを建築主に伝えるためにあらゆる手段を使います。建築主であるあなたは、そのイメージが確実に解るまで、工事を進めてはいけません。もし、解らない部分があれば、はっきりと設計士に、ここの部分を説明してください、図面・透視図・模型などを見せて下さい、と頼めば良いと思います。曖昧なままで、工事が始まって、出来てからやり直しとなるとその費用・時間・労力など大変なことになります。

 

提供:潟Aーキアシスト

住まいのコンサルタント・相談、建物調査・耐震診断、第三者工事監理、内覧会立会い

アーキアシストのホームページは
こちらへ
Copyright (C)2002 YASUMIZU-ARCHI. ALL RIGHTS RESERVED.
Produced and written by Tadashi Yasumizu