家を建てようとする際、何千万円もかかるものですので、どうしても住宅ローンが必要となってきます。以前は、借りれるだけ借りたらよいという考え方もありましたが、最近では、無理なローンを組むとその返済が家計を圧迫し、ローン破産をしかねませんので計画的にローンを組む必要があります。無理は、禁物です。
毎月いくら返せるかを考える
住宅ローンを組む際に大切なことは、いくら借りることができるのかということより、いくら返せるのかが問題となってきます。返せる金額がこれまでの家賃より少なければ、問題はないのですが、多くなるようでは、家計を圧迫しますので考え直す必要があります。一般的には、年収の25%以下に押えるのが望ましいと言われますが、返せる上限をよく考えてどれだけ借りることができるのかを考えましょう。
ボーナス時の返済は避けましょう
ボーナスをあてにしたローンの組み方は、避けるようにしましょう。ボーナスは、景気の好不況により左右されますので、固定された月々の給料から返済できるような組み方を考えるようにします。
低金利のローンで
住宅ローンの金利は、金融機関やローンの種類によりさまざまです。どこから借りるかを考える際には、当然ながら金利の低いところから借りるようにします。住宅ローンの返済期間は、長期なので、わずかな金利差でも返済金額は大きく変わってきます。例えば、1000万円を25年の元利均等返済で借りた場合ですと、金利が1%違うと、毎月の返済額で約5000円、25年間の返済総額では約150万円、2000万円借りたならば、約300万円の違いが出てきます。
固定金利か変動金利か
住宅ローンの場合に気をつけないといけないのが、固定金利か変動金利かということです。目先の金利が低くとも、変動金利の場合ですと、将来、もし金利が上昇した場合に思いもよらぬ大きな出費になってしまいます。一般的に将来もずっと金利が一定である固定金利が有利とされています。どの住宅ローンを使うのかは、この金利の種類も大きな選択要素です。
頭金は、できるだけ多く
頭金ということは、自己資金ということですが、「頭金は購入資金の20%から30%くらい」というのが定説なのですが、頭金は、多ければ多いほどよいのです。今後、物件価格が急上昇することはないと考えると、頭金を十分に用意してからローンを組むのも賢いやりかたかと思います。住宅ローン返済に追われて生活を圧迫してしまっては、快適のはずの家が何のための家かわからなくなってしまいます。余裕をもった返済プランを考えましょう。
ライフプランをよく考えて
人生において大きな出費は、マイホームと子供の教育費それに老後の資金です。マイホームと教育費は、重なる事が多いので、子供の高校・大学の入学金など負担の大きくなる時期までにローンの元金を減らしてゆける元金均等方式をとる必要があります。
また、できれば、退職金などは老後資金に廻すことを考えて、定年退職までに終えるように計画したいものです。
住宅ローンの種類
住宅ローンには、大きく分けて公的ローンと民間ローンの2つに分けられます。公的ローンは、公的金融機関から借り入れるもので、住宅金融公庫融資、年金融資、財形住宅融資、自治体融資などがあります。民間ローンには銀行や勤務先の社内融資などもこれに含まれます。融資を受けようとすると申込者の年齢、年収、融資額などを審査し、特に住宅金融公庫などは、審査が厳しく、その物件に対し構造・仕様などが一定の基準に達していないと融資しません。
フラット35
フラット35は、民間金融機関が、住宅金融公庫と提携して実現した“長期固定金利”の住宅ローン商品です。フラット35のメリットとして、1つ目は、最長35年の全期間固定金利です。借入れ時に返済終了までの返済額が確定し、返済途中で金利が変わりません。2つ目として、融資額は100万円〜8,000万円で、建設費や購入価額(消費税を含む)の80%まで利用できます。3つ目として、保証料0円、繰越返済手数料0円です。例えば、2,500万円を35年返済で借り入れる場合、通常の住宅ローンで必要となる保証料が必要ありません(保証人も必要ありません)。さらに、抵当権設定登記時の登録免許税も必要ありません。返済中に繰上返済を行う際も、手数料はかかりません。4つ目のメリットは、住宅金融公庫では、住宅の断熱・耐久性などについて独自の技術基準を定め、物件検査を実施しています。併せて建築基準法に基づく検査済証が交付されていることを確認しています。これらにより、住宅の質の確保を図ることができます。
詳しくは、住宅金融公庫のホームページで http://www.flat35.com/
住宅金融公庫融資
住宅金融公庫は、国が住宅購入者のために資金融資を行うための専門の金融機関です。公庫の融資は固定金利なので返済計画が立てやすく返済期間が最長35年と長いので、まず、第一に公庫融資を考えましょう。
公庫の融資を受けるためには、一定基準の収入があること、敷地ができていること、自分が住む家であることが、条件になります。融資の対象になる住宅にも基準があって、30m2以上120m2未満となっています。建築基準法や都市計画法はもちろん、公庫が定める基準にも合致することが必要です。
なお、60歳以上の老人または、身体障害者と同居、または6人以上の親族が同居する場合および、二世帯同居の住まいは150m2までが対象となります。
※ 上記のフラット35に移行しつつあります。
年金基金融資
厚生年金または国民年金に3年以上加入している人が利用することができます。貸し出しの対象となる住宅の基準は、住宅金融公庫の規定とほぼ同じです。返済期間も同様で最長35年ですが、5年刻みで設定しなければなりません。金利は、固定金利と11年目以降金利が上がる2段階方の2つがあります。
また、公庫融資は、1物件につき1人しか申し込めませんが、年金融資は夫婦2人で申し込む事ができます。
財形住宅融資
財形貯蓄融資は、財形貯蓄を行っている人が利用できる住宅ローンです。条件として、財形貯蓄の残高が50万円以上で、積み立て期間が1年以上あるものに限って、残高の10倍以内、かつ4000万円以下で、住宅の取得金額の80%以内まで借りる事ができます。収入基準は、当初の毎月の返済額の4倍以上の月収があることで、公庫融資と併用する場合は、公庫の返済額も含めた額で計算します。金利は、5年ごとに見直され、返済期間は最長35年となっています。
民間金融機関
都市銀行、地方銀行、信託銀行、信用金庫、住宅金融専門会社などによる融資制度で、融資内容や限度額などは、まちまちです。
担保型と無担保型に分かれ、いずれも必要額の金額が借りれますが、無担保型の方が金利は高くなります。固定金利型と変動金利型があり、一定期間ならば、乗り換えることができます。
地方自治体による融資制度
ほとんどの都道府県や市区町村に住宅融資制度があります。内容は、まちまちですが、一般的な融資制度のほかに、高齢者・心身障害者同居世帯向け・公共事業移転者や災害震災者向けなどの融資制度を設けているところもあります。
他の融資機関と比べ条件が厳しいところがあるようですが、実際にはそれほどでもありません。金利が他と比べ低いのが特徴です。
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