住まいの建築材料

このサイトでは、これから家を建てたいと思われている人、これから建築を学びたいと思っている学生、これから家を設計したい、現場監督になりたいと思っている若手建築士向けに建築材料の紹介、選び方のポイント、絶対に失敗しないノウハウをお伝えします。

 

良い建物とそうでない建物とは

 この世の中には、建物が無数にあります。この建物の中で人々は、社会生活を営むことになります。人々が、快適に安心して、健全なる社会生活を営むためには、それを育むための器が必要であることは言うまでもありません。その器が建物なのです。それでは、その健全なる社会生活を営むための建物とはどういう建物かを考えてみましょう。その建物を良い建物とするならば、良い建物とは、どういうものでしょうか。

  • 地震・台風・火災などに強い。
  • 長持ちする。
  • 風雨に強い。
  • 健康に良い。
  • 安全である。
  • 居心地が良い。
  • 使い勝手が良い。
  • 建物を見ると気持ちよくなる。
  • 快適である。

などが様々な条件を挙げることができます。それぞれについて考えてみたいと思います。

 

地震・台風・火災などに強い。

 これは、解りやすくいうと災害に強いということです。最近は、よく大きな地震、大きな台風、大火災が発生します。記憶に新しいところでは、2年ほど前に大阪北部地震が来ました。ここでは、高槻の小学校のブロック塀が倒れて、幼い小さな命を奪いました。5年ほど前には熊本地震、10年前には、東北地震がありました。ここでも、多くの家が倒壊し、多くの命が奪われました。2年前には、関西にも巨大台風が襲い、屋根が飛ばされたり、壁が飛ばされたりで大きな被害ができました。私自身、25年前に阪神淡路大震災に遭遇しました。当時、私は、JR西ノ宮駅のすぐ近くのマンションに住んでいたのですが、廻りの木造の家はほとんどが倒壊し、多くの命が奪われ、多くの人の幸せを奪い、絶望のどん底に突き落とされた光景をまの当たりにしました。当時、まだまだ、私は若く、建築士として、満足なことはできなかったのですが、今から思えば、少なくとも、建物さえしっかりと頑丈なものにすれば、その尊い命は救えた。幸せを奪うこともなかったということです。建物は、命を守る、財産を守るもので、あって欲しいと思います。ですので、そういう災害に強い家、頑丈な建物をつくるにはどうしたらいいのか、考えてみたいと思います。

長持ちする。

これはどういうことかと言いますと、業界用語では「耐久性」が優れているとも言います。いくら頑丈な家をつくっても、長持ちしないとなったらいけません。本当だったら、50年、100年もつものが30年でダメになってしまったとなれば、いけません。長くもたせるためには、相応の対策をしなければなりません。その対策とはどうものであるか、その知識をもっていることが大切です。

風雨に強い。

 これは、災害に強い家に含まれるものがありますが、大雨、大風のときに、雨漏りしない、風で屋根が飛ばされない、外壁が飛ばされないということです。雨漏りすれば、実に鬱陶しいです。生活を混乱させ、気分を鬱にし、カビが出て、健康障害も起きます。そして、あげくは、家自体も腐ってきます。腐ってくると地震がきたときには、その部分から崩壊していきます。ですので、雨漏りするような建物を絶対につくってはいけないのです。

健康に良い

最近ではシックハウス症候群というのが問題になっています。これはどういうことかと言いますと、新しい部屋に入ると目がチカチカする、お腹が痛くなる、気分が悪くなる、頭痛がするなどの健康障害が出ることです。これは、何が原因かと言いますと、最近の新しい家には、化学製品がよく使用されており、その中でも接着剤とか、ビールクロスとか、ビニールシートとか新建材の中には、有害な化学物質が多々使用されています。その中の特にホルムアルデヒドが一番の原因とされていますが、それに反応して、アレルギー症状が出ているというわけです。これを改善するにはこの化学物質の含まれている材料をできる限り減らすとか、換気をよくするといった対策をしなければなりません。そういう意味で最近は、自然素材の家というのが、見直されるようになっています。そのような材料とか施工方法とはどのようなものか、知っておく必要があるのです。

安全である。

建物は、安全というのが大前提です。災害に強い家には共通するものがあるのですが、ここでいう安全というのは、例えば、足が滑って転倒したとか、階段から落下したとか、本来、安全であるはずの建物が凶器になることもあります。これを少しでも防止するにはどうするのか、考える必要があります。

居心地が良い。気持ちが良い。

 ストレスのない気持ちのいい、もっとこの場所にいたいと思えるような空間というのは、人間らくし、健全に、健康的に生活していく上で、とても大切なことです。このような場所で育った子供はすくすくと健康に育ちます。人間関係も良くなります。このような居心地の良い家、気持ちの良い家、そのような家をつくるにはどうしたらいいのでしょうか。

使い勝手が良い。

 ストレスを感じることなく、快適に使える建物というのは、使い勝手がよくなければなりません。扉の開き勝手が逆になるだけでも、ストレスが溜まります。足の悪い人が、夜中にトイレに行きたくなり、寝室から遠く歩くようなトイレというのは、不便で使い勝手はよくありません。常に使い手のことを考えて、どのような生活パターンなのかをよく知ってつくらなければなりません。

建物を見ると気持ちよくなる。

 建物は、常に一目に触れるところです。建物の形状であったり、色であったり、人に不快感を与えるようなものであれば、いくら災害に強い家をつくりましたといっても、潰してくれということにもなりかねません。ある意味、建物は芸術であるといっても過言ではありません。それほど、美しいものであって欲しいものです。

快適である。

 私は、「良い建物・良い家」といういのは、「安心して、快適に安全に暮らせる家」のことと思って、仕事をしています。快適ということは、良い家であるという中で重要な要素と言えます。快適な家というのは、心地の良い風が入ってくる、日当たりが良い、使い勝手が良いなどいろいろな要素がありますが、ここでいう快適とは、人間が快適であると思える温度・湿度というのは、個人差はありますが、だいたい決まっています。本来、人間は、自然の中で生活していたのですが、近代化により自然の中で暮らすことも難しくなりました。いかにして、暑さ・寒さ・湿気を遮るのかそれが重要なポイントになってきます。

 以上、簡単に説明しましたが、私が長い間、建物づくりに関わってきて、得られた結論でもあります。これを全てな建物・家をつくるというのは、難しいことかと思いますが、知識があれば可能です。そのつくりかたを紹介していきたいと思います。

 

 

建築材料の構成

 建物を構成する材料には、分け方はいろいろとあるのですが、最も解りやすい分け方として、大きく分けて

  • 構造材
  • 内外装材(下地)
  • 内外装材(仕上)
  • 機能材

に分けられます。それぞれの分け方を説明していきますと、

構造材としての材料

 構造材とは、人間でいうと骨にあたる部分です。強い人間であるためには、まず、骨がしっかりしていなければなりません。少しスポーツをしただけで骨折するようではいけません。建物も同じで少し地震がきただけで倒壊してしまうと、それは建物といえません。建物には、人命を守る、財産を守るという重要な使命があるのです。

 建築の構造は、主に木造・鉄筋コンクリート造・鉄骨造があります。この構造により、骨組みとなる材料は異なってきます。

 木造の骨組みに使用する材料は、木です。木造を構成する構造として、土台・柱・梁などがありますが、これらに木を使用したものが木造です。木造であっても、基礎は、鉄筋コンクリート造でコンクリートと鉄で構成されます。そして、木では強度が不足しているとなると部分的に鉄骨を使用することもあります。

 鉄筋コンクリート造の場合、構成する構造として、基礎・柱・梁・壁・床がありますが、これらに鉄筋とコンクリートを組み合わせたものを使用したものが鉄筋コンクリート造です。

 鉄骨造は、構成する構造として、基礎・柱・梁がありますが、これらは、鉄骨を使用しています。木造と同じように鉄骨造の場合は、基礎は、鉄筋コンクリート造でコンクリートと鉄で構成されます。

 このように構造材としての材料は、主に、木・鉄・コンクリートと言われています。ですので、しっかりした地震や台風などの災害に強い建物をつくるためには、この木・鉄・コンクリートの構造材に関する深い正確な知識が必要となってきます。この使い方を誤ると大きな地震がきて家が倒壊した、台風により屋根が飛んだ、雨漏りしたということになり、大きな被害を被ることになります。

内外装材(下地)

  骨組みの工事が終了すると(躯体工事といいます)、骨組みに肉付けをしていくのですが、その肉付けには、下地と仕上げとがあります。人間の場合ですと、骨に筋肉・内臓があって、皮膚があって、お化粧をするということになるかと思いますが、建物であると筋肉・内臓にあたる部分が内外装材の下地ということになります。

 内外装材の下地とは具体的にどういうものをいうのかといいますと、まず、骨組みに胴縁といって、壁材を貼るための桟を取り付けします。その桟に仕上げていくためのパネルを貼ります。これら一連の材料をいいます。それに要求される性能としては、

  • 温熱を遮ることができる。
  • 水に耐えることができる。
  • 衝撃に耐えることができる。

これらの要求を全てみたすものでなければなりません。具体的な材料をあげてみると、モルタル、石膏、土、珪酸セメント板、石膏ボード、サイディング、合板などです。

内外装材(仕上)

 下地ができあがると、最終的な工程である仕上工事となります。人間に例えるとお化粧ということになります。その際に要求される性能とは、

  • 水に耐えることができる。
  • 美しい。
  • 汚れが落ちやすい。
  • 健康によい。

などです。具体的な材料をあげてみると、吹付材、塗装、塗り壁材、瓦、スレート、金属板、タイル、サイディング、クロスなどです。

機能材

 機能材とは、建物の性能を向上させるために必要な材料のことです。人間の体でいうと、臓器、例えば、心臓であったり、胃、腸、肝臓といった、人間が生きていく上に快適に体調を良くするためにあるもので、必要不可欠なものです。要求される性能とは、

  • 水の侵入を防止する。
  • 熱の出入りを少なくし、断熱性をよくする。
  • 音の出入りを少なくする。
  • 火の燃え広がりを防止する。
  • 地震での揺れを小さくする。

などです。いずれも快適な生活をするために絶対に必要な要素となります。具体的には、防水材、断熱材、防火材、ゴムなどです。

 大雑把に材料を分類すると以上のようですが、建築士は少なくとも、これらの材料の特徴、性能などを全て熟知し、どこにどのよな材料を使用するのかを決めなければなりません。これから家を建てたいと思う人は、建築士に全て、任せるのではなく、どこにどのような材料を使用するのか、自分が望んでいるものなのかどうかを確認しなければなりません。

 良い建物をつくるためには、絶対に材料の選択を誤ってはいけません。そのために材料に関しての正確な知識が必要なのです。次回からは、それぞれの材料について、個別に詳しく説明していきたいと思います。

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