工事契約の仕方

 施工業者が決まると、着工に向けて準備を始めるのですが、最初の作業として、工事請負契約をしなければなりません。工事請負契約とは、設計図書、見積書通りの建物を完成させ、その仕事に対して報酬としてその対価を払うという契約です。

 家を建てる際に施工業者(請負者)と締結する契約が請負契約にあたり、建売住宅や中古住宅など、既に形があるものを購入する場合は土地と建物の売買契約となります。この契約により、スムーズに工事が進み、良質な住宅を取得する上で、非常に重要なことなので慎重に行う必要があります。

 建築主と施工業者(ここでは請負者という)が契約するのですが、建築主には専門的な知識が無いために契約するにあたって、設計監理者が、契約内容のチェックをし、契約立会いを行う場合があります。ハウスメーカーと契約する場合には、建築主のみで行います。

 

契約書に記載すべき事

  • 建築主、請負者の名前:契約をする人の氏名
  • 現場の住所:建築確認書に記載の現場の地番
  • 建築物の概要:建築確認書に記載の現場の構造、規模
  • 工期:着工の日と竣工、引渡しの日を明確に記載。工期に関しては、適正は工事期間を事前に十分に打合せをする事。
  • 工事監理者氏名:建築主と契約した工事監理者氏名
  • 支払い方法:見積書により取り決めた工事金額をどのようにして支払うのかを明確に記載する。

などです。これらが、明確に記載されているかどうか、誤りがないかをチェックします。支払いに関して、工事の進行具合により過払いしてはいけません。通常は、着工時、上棟時、引渡し時の3回かもしくは、上棟時と引渡し時の間に中間時を入れる場合もあります。それぞれ、3分割かもしくは、4分割して支払う場合が多いです。

 

工事契約約款の内容

 契約約款については、「民間(旧四会)連合協定工事請負契約約款」、「民間建設工事標準請負契約約款(甲)」、「民間建設工事標準請負契約約款(乙)」、「住宅建築工事請負契約約款(日弁連)」などの市販されている契約約款を使用する場合が多いです。工事契約約款の内容としては、

  • 工事が適正に進んでいるにも関わらず、万が一、支払いが滞っている場合、どのように対処するのか。
  • 万が一、工事に関して瑕疵が発見された場合、どのように対処するのか。
  • 万が一、工事に関してトラブル・紛争が起きた場合、どのように対処するのか。
  • 万が一、引き渡しが遅れた場合どうするのか。
  • 自然災害なので不可抗力による損害が発生した場合どうするのか。
  • 工事中止や変更・追加があった場合どうするのか。

以上のことが記載される必要があります。その他、特別に決まり事があれば、特約事項として自由に取り決めをすれば良いかと思います。契約書類は、事前に請負者から取り寄せ、十分に打合せ検討した上で押印するようにします。

 

添付書類として

契約書には、以下の書類・図書を添付する必要があります。

  • 工事見積書
  • 設計図書・仕様書
  • 工程表

これらの内容も慎重に検討・確認し、問題ないようにしなければなりません。内容のチェックポイントは、別項目で説明しています。

 

契約時の注意点

 契約は、施工会社と建築主とが結ぶものですが、設計事務所がかんでいる場合は、設計監理者の立会いのもとで調印するのが普通です。工事契約書は、2通作成して、建築主と施工会社が捺印して保管しておきます。印鑑は、建築主は、実印を、施工会社は社印と代表取締役印で捺印して下さい。工事契約書には、印紙を貼ります。

 契約約款は、細かく、専門用語が出てくるため、理解しにくいところが多々あるかもしれませんが、きちんと理解しておかないと、後にトラブルが起こる場合があります。もし、解らないところは、必ず質問して、納得した上で押印するようにします。

 

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