地震に強い家のつくり方
1995年1月17日午前5時46分に兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)発生し6433人もの尊い命が奪われました。その中で住宅の倒壊による圧死と言われる人達は、87%にも及びます。また、最近では、熊本地震においても、比較的、新しいとされる家までも倒壊しました。本来、命を守るはずの家が倒壊し、凶器となってしまったのです。
そして、多くの学者は、これから30年以内に再度、阪神・淡路大震災クラスの地震が発生する確率は、70%と予測しています。これからは、阪神・淡路大震災のような悲惨な災害を二度と起こしてはならないのです。そのために、なぜ、多くの建物が倒壊したのか、その原因をさぐり、これからは、どのようにしていけばよいのか、対策を立てなければならないのです。
家が倒壊した原因
阪神・淡路大震災において、家(木造住宅)が倒壊した原因を考察してみると、
- 地盤が緩く、建物が大きく揺れた。
- 擁壁が崩れて、その上に建っている家が一緒に崩れ落ちた。
- 基礎に鉄筋に鉄筋が入っていない。仮に入っていたにしても、鉄筋量が不足している。もしくは、劣化して腐食していた。
- 土台や柱が白蟻に喰われて、強度が著しく落ちて、揺れに対抗することができなかった。
- 大きな開口がたくさんあり、その開口部分から壊れた。
- 筋違いが入っていなかった。入っているにも関わらず、入っている位置が悪かった。
- 柱や筋違いが土台、梁から外れてしまった。
- 建物の形がいびつで、大きな吹き抜けがあったために、建物が歪んだ。
- 屋根が土葺きの重たい瓦で、建物がてっぺんから大きく揺れて、それに対抗することができなかった。
などがあげられます。倒壊した建物は、主に昭和56年以前のものが多く、それ以降のものは比較的、すくなかったようです。これは、どういうことかと言いますと、昭和53年に宮城県沖地震が発生して、多くの木造住宅が倒壊しました。その教訓より、昭和56年に、木造住宅においては、筋違いの量、配置の規準が法律により、定められました。これにより、昭和56年以降に建てられた木造住宅は比較的、被害が少なかったわけです。
しかしながら、昭和56年以降に建てられた木造住宅は本当に大丈夫かというと、そうとはいえません。やはり、何らかの原因で倒壊しているので、その原因が一つでも残らないよう、しっかりとした家をつくらなければなりません。
地震対策
地震で倒壊する原因というのは、上に述べた通りですが、それでは、倒壊しないようにするためには、どうしたら、いいのでしょうか。地震に強い家、地震対策とは、どういうものかを考察したいと思います。
- 建物を建てようとする敷地の地盤調査を行う。
- 地盤調査の結果、地盤が悪い場合は、地盤改良工事を行う。
- 敷地に擁壁がある場合には、擁壁の安全性を確認する。
- 基礎は、鉄筋コンクリート造として、決められた量の鉄筋を決められた仕様で入れる。
- 土台・柱は、白蟻に強い耐久性のある木材を使用する。
- 大きな開口はできる限り避ける。
- 筋違い、合板による耐力壁は、バランスよく計画的に配置する。
- 土台・柱・梁・筋違いがバラバラにならにように、金物で補強する。
- 建物は、できる限り、四角形なものとして、大きな吹き抜けは避ける。
- 屋根は、できる限り軽くする。重たい瓦とする場合は、建物をその分、強くする。
などが対策としてあげられます。いずれにしても、計画的な対策が必要なのです。