工事監理とは
工事監理とは、国土交通省告示において、設計図書と照合し、それが設計図書のとおりに実施されているかいないかを確認することをいうと定義付けられています。
工事監理の必要性
平成7年に起きた阪神・淡路大震災、平成23年の東日本大震災、最近では、熊本地震において、多くの建物が倒壊しました。その原因として、工事監理さえしっかりしておけば、尊い命を落すこともなかったというケースもあります。また、平成17年に、心無い建築士により構造計算が偽装され、住人に大きな不安を与え、建築物の安全性 ・信頼性が大きく損なわれた。これも、工事監理がしっかりとできていれば、防げていたかもしれません。
身近なところでは、出来上がってすぐに雨漏りがした、外壁にひびが入った、家が傾いた、仕様と違う、見積書通りにできていない、こんなはずではなかったと、欠陥住宅のトラブルが絶えることがありません。
工事監理は、建築士が現場をチェックするもの
そこで工事監理が大切となるのです。工事監理とは、建築士の資格を持った経験豊富な専門家が、その建物が図面、仕様書通りにできているかをチェックし、そして、安全で安心して使える建物をつくることを目的とするものです。
工事監理がしっかりとできていないと、予算が無い、工期が無い、人手が不足といった理由で、見えない部分で簡略化(いわゆる手抜き)してしまう事があります。工事監理が適切に行われていれば、こうした欠陥住宅を未然に防ぐことができるのです。
工事監理者は、建築主が定めるもの
本来、建築主は、工事監理者を定めることになっているのですが、ハウスメーカーや建売業者による設計施工の場合、工事監理者というのは、名前だけで実際は、正常に行なわれていないという場合があるというのは事実です。そして、この工事監理者となる建築士は、これまで培った知識、経験と創意工夫でもって、全身全霊この業務に打ち込まなければなりません。
また、建築主は、建築基準法では、一定規模以上の建築物の建築にあたっては、工事監理者を選定しなければならないことになっています。